WEBコンテンツとしての「対談記事」のつくり方〜わたしの9つのステップを公開!


対談記事がコンテンツとしてアップされた。顧客企業を訪問し、紹介する記事内容。

「法務サービス部・関上健一郎が行く顧問先訪問」

 

こうしたコンテンツを作成する際のわたしのやり方を公開したい。参考になれば幸いだ。

 

「対談記事を作成する、わたしのやり方」

 

1)アウトプットのイメージを固める

記事を作成する際のスタートは最終型のイメージを固めておくこと。文字数はどのくらいで、写真は何点で、このようなトーンでと。やりなれている広告業界の人ならば、目的などは語らずして明確。目的のない記事などあり得ない。どのような読者に、どう思っていただき、どのように行動してほしいのか。情報とは、必ずある目的・意図を持ってつくられるのは言うまでもないだろう。ちなみにわたしの場合は月刊『致知』が好きで、この雑誌の対談記事をひとつの参考に、イメージすることが多い。

 

2)相手を調べる

取材対象者が候補から決まってアポが入ると、相手のことをできるだけ調べる。公式ホームページはもちろん、新聞掲載記事やインタビュー記事などがアップされていればきちんと読み込む。会社の事業概要や、最近のトピックスなど、話題となっていることがらを理解しておく。この時、数字を中心にメモをとっておく。

 

3)想定質問を書き出す

一通り相手のことを理解したら、聞きたいことをリストアップする。わたしの場合は、「現在」〜「過去」〜「未来」の順番で聞くことが多い。今は何をしていて、どんな感じなのか。特筆すべきことは何なのか。次に、ここに至った経緯を聞く。時に対象者の幼少期のころにさかのぼるインタビューもある。最初はうまくいかなくて〜、から始まり、試行錯誤の苦労話が一番おもしろい。最後に今後の展望、将来の夢を語っていただく。そんな対談の流れをイメージしておく。

 

4)本番

対談場所へは、できれば30分前には到着していたい。遅刻は厳禁だ。場所を確認しておき、近くで待機する。室内に通されたら、全体を見渡す。どこを背景にすれば映えるか、その人らしさが出るかを考える。その後、対談の場合は2人が座る場所を決める。できれば、対面にならないようにしたい。L字になるように配置したい。対面は相対する場面になる。対談は共感を生むようにしたいという理由からだ。場所を決めて、7つ道具をすばやくスタンバイさせる。わたしの場合は、取材メモノートにペンをはさむ。録音用iPhoneをスリープモードにする。カメラのセッティングを確認する(撮影モード・ISO・絞り)。名刺。最終原稿見本。手帳。腕時計をはずして見える場所に置く。

本番は、企画の主旨を説明し、できるだけリラックスした雰囲気をつくりだし、さりげなく録音をはじめスタートさせる。相手に「録音させてもらってますよ」とサインを送る。最初は黒子役の自分が会話をリードするが、途中、話しがのってくるとその流れにのっかるようにしている。時に、大きく脱せんする時もあるが、それはそれで、流れにまかせつつ。時間配分を気にしつつ、時にはあえて話しを戻すことも必要だ。ただ、事前に用意した質問には必ずしもこだわることはなく、むしろ、話しの流れで盛り上がるところはふくらませて聞いた方がいい場合が多い。

撮影はたいがいは自分が行う。できるだけ、取材の後半にするようにしている。それは緊張した面持ちではない、自然な表情を撮りたいから。背景をぼかしたご本人。対談しているようすがわかる説明カット。ジェスチャーまじえた動きのあるカットを狙いたい。しかし、あまりバシャバシャと続けていても話しに集中できなくなるので、適度なところでやめにしたい。

 

5)文字おこし

本番を終えて、まずやることは文字おこしだ。昔はテープおこしと言った。録音を聞きながら原稿を打っていく。話しことばどおり正確に打ちつつ、重複したところや話しが飛んでも、ある程度はそのまま打ち込んでしまう。話題が変わったところでは1行空白をつくっておく。もちろん、オフレコの部分は割愛する。

 

6)編集する

入力された紙を出力して、ここからが作業の本番。一度、ざーっと読んでブロックごとに入れ替えや合体などの大手術を行う。時に、最後の部分を先頭に持ってくることもあるほどだ。実際の会話は、いったりきたりで、重複が多いもの。話しことばを書きことばに変換もする。また、話しことばには主語がない場合が多い。なので主語を補ったりする。話し手によっては、マル(。)がない話し方をする人もいる。文章は短いほど読みやすい。なので、ばっさばっさと話しを切り、マルをつけていく。

 

7)推敲する

おおまかに整えた原稿は、ここからが長くてつらい道のりになる。いわゆる推敲を重ねる。そう、推敲はなんども重ねなくてはならない。文章がうまい人はちがうのかもしれないが、わたしの場合は読み返すたびにアカ字が入る。ちなみにアカ字は、文字どおり昔はアカペンをつかっていたが、真っ赤になる原稿用紙がイヤで、最近はアオペンを使うようにした。すると、アカ入れがさほど苦にはならなくなった。

推敲の回数は、全体の文字数にもよるが、10回から15回くらいは出力してはくり返しているように思う。1日に3〜4回、これを日を置いてくりかえす。原稿は寝かせれば、寝かせるほどよくなっていくと思う。最後は「音読」だ。文をよみやすく、リズムよく読めるよう整える。ちなみに、この音読の部分。最近はGoogleやiPhoneの読み上げ機能がすばらしく、機械に読ませて自分が聞いてチェックすることもある。

 

8)写真を合わせる

ここまで本文を整えて、写真を合わせる。メインビジュアルにはどれがいいか。話しの流れに合うカットはどれか。写真選びも悩ましい。ああでもない、こうでもないと一人、悩みながら選択する。似たようなカットが続いていないか。トリミングした方が映えるのではないか。別にカメラマンや編集者がいるような仕事だと、このあたりは相談しながら進められるのだが、ひとりで制作する場合はちょっと辛い。「これでいい」の終わりがないところがある。

 

9)校正する

納品前の大切なチェックが校正作業だ。校正は、いわゆる「てにをは」の部分と、漢字のまちがいのほか、数字などの事実確認の校正がある。固有名詞、お名前などはしっかりと確認したい。とは言え、わたしはこの校正が苦手。過去、何度も痛いミスをしてきた。新聞の連載記事で電話番号をまちがって記載して、手みやげもって十勝地方まで謝りに行ったこともある。電話番号と価格。これだけは絶対にチェックしてまちがいなきようにしたい。

ちなみに、個人の場合などは、いただいた名刺に記載されたものが誤っていることがある。WEBサイトなんかは、営業時間・定休日などまちがいだらけだ。必ずご本人に確認しよう。取材先のご本人さえ、見ているようで見ていない場合も多いけれど。

 

こうして、ようやく人様に見ていただける記事となる。昔は紙だったから、賞味期限があった。一定の時間が経つと記事はやがて記憶から消える。しかし今はWEBサイトの中にある。検索エンジンがいつまでも、正確に、一発で発見してくれる。はるか昔に書いたものが出てくる。だからこそ、作業は慎重にねばりたい。

 

 

 


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